ビジネスシーンでよく使われる表現には、直訳すると英語では不自然になってしまうものがあります。「難しい注文」「商売にならない」「商売がうまい」など、シンプルな日本語も、英語ではニュアンスを伝えるための「こなれた」 表現が必要です。ビジネス英会話力をワンランクアップさせましょう!
1. 「それは難しい注文だ。」
日本語 英語 それは難しい注文だ。 That's asking too much.
解説
意味とニュアンス: 要求や期待が過度である ことを伝える、丁寧ながらも断りや懸念を示すフレーズです。「それは要求しすぎです」という意味から、「難しい注文だ」という日本語のニュアンスに繋がります。
文法・単語解説:
asking too much: 「(要求として)多すぎることを求める」という意味の動名詞句です。主語のThatは、相手の要求内容全体を指しています。
too muchは「あまりにも多すぎる」という否定的な意味での過度 を表し、要求が現実的ではないというニュアンスを強調します。
類語として "That's a tall order." も使われます(直訳:背の高い注文 → 達成が困難な要求)。
2. 「それでは商売にならない。」
日本語 英語 それでは商売にならない。 It doesn't pay.
解説
意味とニュアンス: その行為や取引が採算が合わない 、利益を生まない ことを伝える簡潔で強力な表現です。
文法・単語解説:
pay (動詞): この文脈では「(金銭的な)利益になる 」「割に合う 」という意味で使われています。給料を支払うという意味の他に、この自動詞用法 を覚えておくのがポイントです。
Itは、その提案や行動全体を指します。
より具体的に「利益がない」と言う場合は、"It's not profitable." も使えますが、It doesn't payの方がより一般的です。
3. 「彼は、商売がうまい。」
日本語 英語 彼は、商売がうまい。 He has a good head for business.
解説
意味とニュアンス: 彼がビジネスの才能や判断力に優れている ことを褒める表現です。「商才がある」という意味です。
文法・単語解説:
a good head for…: 「?に対する良い頭」から転じて、「?の才能がある 」「?を理解する能力がある 」「?の判断力に優れている 」という意味のイディオムです。
for businessの部分を替えることで、「数字に強い」(a good head for figures)や「計画を立てるのがうまい」など、様々な能力を表現できます。
4. 「重要なのはコストです。他の事は二次的な問題です。」
日本語 英語 重要なのはコストです。他の事は二次的な問題です。 What matters is cost. The rest is of secondary importance.
解説
意味とニュアンス: 議論の焦点や優先順位を明確にする、論理的なプレゼンテーションや議論で有効なフレーズです。
文法・単語解説:
What matters is…:
What matters: 関係代名詞What を使った名詞節(「?なこと」)で、「重要なこと 」「肝心なこと 」という意味になります。この節全体が主語となるため、動詞isは単数形になります。
The rest is…:
The rest: 「残り 」「他のもの 」という意味です。この文脈では単数扱い(is)です。
of secondary importance:
of + 抽象名詞 で、形容詞句 として機能します。「of importance (重要性のある) = important (重要な)」
of secondary importanceで「二番目の重要性のある 」→「二次的な問題 」「あまり重要でない 」という意味になります。
5. 「この打ち合わせの続きは、ランチでしよう。早めにレストランに予約をしておいてください。」
日本語 英語 この打ち合わせの続きは、ランチでしよう。早めにレストランに予約をしておいてください。 Let's continue this meeting over lunch. Please make reservations at the restaurant as soon as possible.
解説
意味とニュアンス: 会議を移動させたり、別の活動と並行して行うことを提案する、実用的なフレーズです。
文法・単語解説:
over lunch:
over (前置詞): 「?の間に」「?をしながら」という意味合いで使われます。時間を費やす活動(食事、飲み物、期間など)と一緒に何かをする時に便利です。
例: We talked over coffee. (コーヒーを飲みながら話した)
make reservations: 「予約をする 」という意味の定型表現です。
as soon as possible (A.S.A.P.): 「できるだけ早く 」という意味のビジネスで非常に頻出する表現です。
6. 「私に一任していただけますか?」
日本語 英語 私に一任していただけますか? Can I leave it to you/me? (相手/自分に任せる)Can I take the lead on this? (主導権を握る)
解説
意味とニュアンス: 担当として責任を持って進めたい 、または相手に任せたい という意思表示をする表現です。
文法・単語解説:
leave it to…: 「(それ)を?に任せる」という基本的な表現です。
take the lead on…: 「?で主導権を握る 」「?をリードする 」という、より積極的 に自分が担当し、指揮を執ることを示す表現で、ビジネスでは非常に好まれます。
7. 「概算で構いません。」
日本語 英語 概算で構いません。 An estimate will suffice. A ballpark figure is fine.
解説
意味とニュアンス: 正確な数値ではなく、おおよその見当 や暫定的な数値 で十分であることを伝えるフレーズです。
文法・単語解説:
estimate (名詞): 「見積もり 」「概算 」という意味です。
suffice (動詞): 「十分である 」「間に合う 」という意味の、ややフォーマルな単語です。
a ballpark figure: 「概算の数字 」「大まかな数字 」という意味のイディオム です。ballparkは野球場を意味し、「場内のおおよその範囲」から転じています。ネイティブがよく使う表現です。
8. 「(その件は)ペンディング(保留)になっています。」
日本語 英語 (その件は)ペンディングになっています。 It's pending. It's on hold.
解説
意味とニュアンス: 「未決である 」「保留中である 」「一時中断されている 」状態を伝えるフレーズです。
文法・単語解説:
pending (形容詞): 「係属中の 」「未決定の 」という意味で、正式な決定を待っている状態を表します。
on hold: 「保留されている 」「一時停止中である 」という意味のイディオムです。電話の「お待ちください」もHold on.と言います。
9. 「期限は厳守してください。」
日本語 英語 期限は厳守してください。 Please adhere to the deadline. The deadline is firm.
解説
意味とニュアンス: 納期や締め切りを守る重要性 を強調する、フォーマルな表現です。
文法・単語解説:
adhere to… (動詞): 「?を固く守る 」「?に忠実に従う 」という意味の、ビジネスや契約などで使われるフォーマル な動詞です。
firm (形容詞): 「確固とした 」「譲れない 」という意味で、The deadline is firmは「期限は絶対で動かせない 」という強いメッセージを伝えます。
10. 「その点は承知しております。」
日本語 英語 その点は承知しております。 I'm aware of that. Duly noted. (やや簡潔)
解説
意味とニュアンス: 既にその情報や事実を知っていることを伝えたり、相手の指摘や意見を正しく受け止めた ことを示す丁寧なフレーズです。
文法・単語解説:
aware (形容詞): 「?に気づいている 」「?を認識している 」という意味です。be aware of... の形で使われます。
Duly noted: dulyは「正式に 」「適切に 」という意味の副詞、notedは「書き留められた 」という意味の過去分詞です。直訳は「適切に記録しました」ですが、実際は「しかと承知しました 」「了解しました 」という意味で使われる、非常にビジネスライクで簡潔な表現です。
学んだフレーズをビジネスの現場で活かす
今回紹介した10のフレーズは、単なる直訳では伝わらない、日本のビジネスのニュアンス を伝えるために最適化されています。特に、動詞の多義性 (例: pay)や、イディオム (例: a good head for business, ballpark figure)を理解することで、より自然で洗練された英語を話すことができるようになります。
これらのフレーズを積極的に使用し、あなたのビジネス英会話を次のレベルへと引き上げてください。