インド式英会話とは?特徴、効果、学習方法や例文について詳しく解説
グローバル化で英語学習が盛んですが、注目を集めているのが「インド式英会話」です。独特なアクセントや表現方法のインド英語の特徴、効果、学習方法や例文について詳しく解説します。
インド式英会話とは
インド式英会話とは、インドで使われている英語のスタイルや話し方のことです。インドは英語を公用語の一つとしており、ビジネスや教育、行政、メディアなど幅広い分野で英語が使われていますが、イギリス英語やアメリカ英語とは発音・語彙・文法・言い回しにで少し違っており、特徴があります。インド式で英語表現やリズムを学ぶのが「インド式英会話」です。
インドはイギリスの旧植民地であったことから、公用語の一つとして英語が広く使われていますが、イギリス英語がそのまま使われているわけではなく、インドの多様な地域言語(ヒンディー語、タミル語など)の影響を強く受けて独自の進化をとげてきました。
発音、イントネーション、語彙、文法表現でイギリス英語やアメリカ英語とは異なる特徴があるのがインド式英会話です。
インド式英会話の特徴
発音(アクセント)は、ヒンディー語など母語の影響を強く受けた発音となっており、巻き舌や子音の強調が多くなります。Rの発音が強く巻かれる「巻き舌音」や、単語の区切りがはっきりせず、なめらかに繋がるような「シングソング」のようなリズムが特徴です。また、多くの母音が日本語の「ア」に近い発音になる傾向があります。
語彙の違いもあり、たとえばインド独自の英語表現(例:"prepone"=前倒しする、"cousin brother/sister"=いとこ)もあります。
文法の違いもあります。独自の語順や省略が見られます。(例:"He is having a car."=所有の意味で"have"を進行形で使用)など。
丁寧な言い回し、フォーマルな表現が好まれています。(例:"Kindly revert back.")。
独特の英語リズムがあって、平坦または一定の抑揚で話す傾向にあります。

インド式英会話の学習方法
・インド人講師のオンライン英会話を活用
ネイティブではないが英語が堪能なインド人講師から学ぶことで、自然なインド英語に触れられます。
・インド映画やニュース
ボリウッド映画やインドのニュース番組を視聴し、実際の発音や表現を耳に慣らすこともできます。
・インド英語の辞書や教材
"Indian English Dictionary"などの教材で語彙や表現を確認することもできます。
インド式英会話の効果
インド式英会話を学ぶことで、グローバルな英語対応力の向上にもなります。多様な英語アクセントに対応できるリスニング力が身につきます。
非ネイティブとの英語コミュニケーションに強くなります。国際会議やIT分野ではインド人との英語交流が多いので実践的な英語力がつきます。
語彙と表現力の幅が広がります。インド特有のフレーズなどを知ることで、柔軟な英語運用力が養えます。
インド式英会話の例文
発音・イントネーションの例
"Actually, I will get back to you by tomorrow." (実際、明日までに連絡します。)
"Actually"の"a"が日本語の「ア」に近い発音になり、全体的にリズミカルに話されます。
"What is your good name?" (お名前は何ですか? - インド英語で丁寧な尋ね方)
"good name"という表現は、他の英語圏ではあまり使われません。
語彙・表現の例
"Let's prepone the meeting to 9 AM." (会議を午前9時に前倒ししましょう。)
"prepone"はインド英語特有の動詞です。
"Did you clear your doubts?" (疑問は解消されましたか?)
"clear one's doubts"は、疑問を解消するという意味でよく使われます。
"He is out of station." (彼は出張中です。)
"out of station"は、出張中や外出中という意味で使われます。
"Kindly do the needful." (必要なことをしてください。 - フォーマルな依頼)
"do the needful"は、ビジネスシーンでよく使われる丁寧な表現です。
"I am having my dinner." (夕食を食べています。)
進行形を多用する傾向があります。
文法的な傾向の例
"I am working in an IT company since 2020." (2020年からIT企業で働いています。)
完了形ではなく進行形を用いる傾向が見られます。
"Do one thing, please send me the report." (一つだけしてください、レポートを送ってください。)
"Do one thing"で切り出す表現はよく使われます。
インド式英会話の注意点
イギリスやアメリカなどのネイティブには通じにくい表現もあります。"prepone"や"cousin brother"などは国際的には通じない場合があるため、場面に応じて使い分けが必要です。
過度に取り入れないほうがよいでしょう。ビジネスや試験(TOEIC、IELTSなど)ではスタンダードな英語が必要です。インド式は補助的に学ぶとよいでしょう。
発音のクセを理解しておいたほうがよいでしょう。相手の話すスピードやイントネーションが慣れないうちは聞き取りづらい場合があります。